PHASE-43「立ちはだかるもの」感想

PHASE-43「立ちはだかるもの」感想

・あんたらじゃ勝てないよ

 カラミティ、フォビドゥン、レイダーの3体のガンダムがキラとアスランのフリーダムとジャスティスに戦いを挑むわけですが、どうもこの3人では主人公二人には勝てないだろうなあと、見るたびに思ってしまうのです。

 なんかこの3人、個性がないもの。3人とも柄が悪くて、戦いながら悪態ついてるばっかりで、どう言う性格をしているのかとか、そう言った事が見えてこない。休憩時間のすごし方は携帯ゲーム、読書、音楽と分かれるみたいだけど。

 まあ、ガンダムSEEDを見始めた最初のうち、ザフトの4人組(アスラン、イザーク、ディアッカ、ニコル)の性格付けは少し分かりにくかった。けれども見ているうちに、アスランは暗くうじうじと悩んでて、イザークはストライクに対していつもカッカしていて、ディアッカはいつも冷笑をうかべていて、ニコルはいつもいい子でいて、という風に個性が見えてきた訳です。

 それに比べてこの3人は…僕なんかまだ名前もうろ覚えです。クロト・ブエルとシャニ・アンドラスと…ほら、思い出せない。

 とにかくこの3人、キャラが立ってない。背負っている物も見えてこない。こんな奴らに、今までドラマをつむいできた主人公二人が倒せるはずがない、と思ってしまうので、今ひとつ戦闘場面を見ていてもスリルがないです。

 そもそも良く考えてみたら、この3人が何らかの戦果をあげる所をあまり見た覚えがない…。新しい機体を使ってるから強いんだろうと思われてるだけか。見ていてスリルがないわけだ。このガンダムSEEDって、話の作り方失敗してるんじゃない?

 もっとも今回はナタルさんが戦いに加わっているのでちょっと今までとは違った。なにやらトリッキーな戦術(アークエンジェルが回避運動を開始したときに追尾を開始するようにミサイルを配置しておいた?)も使いながらアークエンジェルに打撃を与えるナタル。クルーの錬度はやや低いようだがそのハンディを感じさせない名将ぶり。もしかしてバルトフェルドよりも軍人として優秀なんじゃないか?


 話は前後するけどナタルさん、戦いを開始する前に降伏勧告をする。まあ、妥当な行動だと思いますが。

 マリューさん、これを蹴るんだよね。話としては戦いが始まらないと面白くないからそれは良いんだけど、でもこの人たち(アークエンジェルのクルー)って、今、何を目的に行動しているんだろう?追いかけてくる地球連邦と戦って、ザフトとも戦って、自分たちを庇護してくれるオーブという国もなく、何を目的に戦うのか?

 地球連邦自体に疑念を持っているので降伏も復隊もしない、とか言ってたけど…。最終的にはどうしたいわけ?

 キラは「戦争を終わらせるために戦う」と言うような事をだいぶ前から言っているけど、具体的にどうするのかが提示されてなくて、見ていてすっきりしない。やってることはやってくる敵を倒してるってだけで、主体性が見えないと思うのだ。

・カテゴリーF?

 1996年放送のTVアニメ「機動新世紀ガンダムX」において、「ニュータイプ」の域に達しない、中途半端な超能力しかない超能力者は「カテゴリーF」と呼ばれた。Fはフェイク(偽)のFである。

 そのカテゴリーFの例が、このアニメの敵役のフロスト兄弟であった。彼ら2人はその2人の間でだけ通じるテレパシー能力が使える能力者であった。真のニュータイプパイロットなら十数体の無人モビルスーツを一人で操ったりするのである。それに比べればいかにも大した事ない能力であった。

 何が言いたいのかっていうと、ムウ・ラ・フラガって、そのカテゴリーFみたいな感じだな、と思って。どう言う原理なのか、ライバル?のクルーゼの事だけはなぜか敏感に察知してしまうのだ。今回なんか眉間から光が走ってた。完全に超能力者の域である。

 しかも、その他の相手にはまったく反応しないらしい。(反応するのを見た事がない。)何なんだ一体。こいつら実は双子の兄弟か?(書いてから思ったが、ありそうだなそれ。)

 もう一つ「ガンダムX」を思い出した事がある。新ガンダムに乗っている連邦の3人の強化パイロットだけど、なんか薬が切れると苦しみを覚えて戦えなくなるみたいな設定のようじゃないですか。、これと似たような設定が「ガンダムX」にもあったなと。

 「ガンダムX」には人工ニュータイプの「カリス・ノーチラス」と言うキャラクターがいて、こいつはニュータイプと同じようにサイコミュ兵器を使えるんだけど、薬が切れるとだったか時間が経つとだったか、「シナプス・シンドローム」と言う状態になって、ひどい苦痛を覚えて戦えなくなる、という設定だった。

 まあ、ガンダムXを持ち出すまでもなく、「Ζガンダム」あたりでも似たような設定はあったかな?フォウ・ムラサメとか、そんな感じだっただろうか。

 拉致されたフレイが何を考えているのか、今ひとつ分からない。どう言うわけかクルーゼに父親の面影なんか見ちゃってるようだけど、どう言う感情を持っているのか?前回だったか、クルーゼの机の引き出しから薬を取り出していたようだけど…何なんだ?

 クルーゼもどう言うつもりでフレイを拉致したのか。以前のイザークとの会話ではフレイが事態を切り開く鍵なのだ、という感じの事を言っていたと思うのだか今回は一枚のフロッピーディスクのような物を鍵と言っていた。どっちだ。



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